ハマスとイスラエルの戦いは

この背景は、この地域にアラブ人とユダヤ人が共存していた。この地域に周辺の大国が干渉して、ユダヤ人がこの地から追い出された。それは、この地域がイスラム圏に

なった。その後、この地域にユダヤ人が戻りイスラエルという国家が誕生した。その時に、アラブ人とユダヤ人の抗争が始まる。ここにアラブのパレスチナ国家とユダヤ人のイスラエル国家がともに成立していればよかったのに、イスラエルが一方にこの地域に国を成立させたことが、現在までのトラブルの原因になっている。ここをめぐるトラブルは、それから続き、周辺国を巻き込んだ戦争になった。第1次から第4次

中東戦争になっていた。抗争が起こるたびに仲介を果たしてきたのがエジプトであったが、今回、大統領選挙前で動きにくい状況にある。最近は、パレスチナの別動組織ハマスが主力となり、イスラエルと対峙する形になっていて、ハマスイスラム過激組織とつながりもち、レバノンヒズボライスラム国と連帯しているようで、これを支援するイランの存在がある。イランは、イスラエルと対立関係にある。この流れに、サウジアラビアの動きもある。かねてから関係がぎくしゃくしていた、アメリカとサウジアラビアが手を結ぶことに、そして、これはイスラエルにも、都合よい動きであった。たぶん、この動きに一石を投じたかったのはイランであり、今回の仕掛けの裏で動いたのはイランとみていいでしょう。ここで欧米の国が動けば、石油の輸出の削減を、ロシアとともに行えば世界の石油価格が上昇し、混乱を引き起こす。

 これでイスラエル支援にアメリカが動けば、ウクライナへの支援が滞ることになり、ウクライナは劣勢になり、きびしい状況に置かれる。

 これまで考えるとロシアの動きにも注視しなければならない。イランから武器を買って戦争に使っているロシアである。

 アメリカがイランを敵として、イスラエルと共に戦うことになれば、ロシアとNATOとの闘いに発展しかねない。ウクライナとしては、ロシアを抑えるには、NATOの力を借りたいし、とりわけアメリカが動いてくれることを願っている。

 しかし、今のアメリカの議会では、ウクライナ支援の削減が論議されている。これを打開する方法を模索していると思われる。そのカギが中東にあるなら何らかの働きかけをしてもおかしくない。

 いづれにしても、今後の戦況しだいで、中東だけの問題で終わるのか、地中海・黒海に広がるのか注視しなければならない。